所信表明
トップ > 行政情報 > 施策・計画・公表資料 > 町政執行方針・教育行政方針 > 所信表明
所信表明
標茶町長 佐藤吉彦
(令和4年12月提出)
令和4年標茶町議会第4回定例会の開催にあたり、町政運営の所信を申し述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
はじめに
令和4年10月2日に行われました標茶町長選挙におきまして、町民の皆様をはじめ多くの方々のご支援と心温まるご厚情を賜り、引き続き町政を担わせていただくことになりました。ここに、心から感謝を申し上げますとともに、その使命と責任の重さを改めて痛感しているところであります。
1期目を振り返りますと、未だに収束に至らない新型コロナウイルス感染症や、ヒグマによる家畜被害など、多くの期間をその対応に奔走してきた状況の中で「しべちゃの未来へ、まち・ひと・役場の元気をとりもどそう‼」をテーマに各種施策の実現に向けて全力で取り組んで参りました。特に子育て環境の充実に力を注ぎ、「大学生までの医療費の無料化」を実現しました。「保育料の無料化」も国に先行して令和元年4月から全面無料化を導入しました。教育施設の整備にも力を入れ、「標茶中学校の改築」「給食共同調理場の改築」など、教育環境の充実に取り組んでまいりました。また、茅沼温泉宿泊施設の改修にも道筋を付け、ふるさと納税も開始しました。私はこれまでも、10年先、20年先を見据えた、持続して発展するまちを作り上げることに全力で取り組んでまいりました。この2期目におきましても、元気なまちであり続けるために、引き続き、先頭に立って、全力で取り組む所存でございます。
自治体を取り巻く環境
今もなお、世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症、国際秩序の根幹を揺るがすロシアのウクライナ侵攻、円安などによるエネルギーや食料品をはじめとする様々な物価高騰など、酪農をはじめとする生産現場や町民生活のあらゆる場面においても大きな影響を受けています。
こうした中、岸田首相は経済再生には、新しい資本主義の旗印の下で「物価高・円安への影響」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」の三つを重点分野として取り組んでいくと述べられていますが、私たちのまちで経済の再生が実感できる日が果たしていつになるのかわからない状況で、収入の多くを地方交付税や国庫補助金に依存せざるを得ない現行の地方財政制度のなかで、今後も引き続き厳しい財政運営が予想されます。
近年、世界各地で深刻な自然災害が頻発しています。その大きな要因として、地球温暖化が指摘されています。国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。このような状況から、本町においても今年3月にゼロカーボンシティ宣言をし、脱炭素化や再生可能エネルギーの活用などを考慮したまちづくりを進めて参ります。また、安全で安心なまちづくりを実現するために、町内会・地域会との連携を強化し、防災・減災対策に努めてまいります。
主要な施策等
このような中、私は、これからの新たな4年間に標茶町総合計画の基本目標である「みんないきいき みんなでつくる ~自然とともに生きるまち しべちゃ~」の実現のため、次の3点を基本方針として町政を推進いたします。
- 町民が主役の、公平でわかりやすい行政を推進します。
- 環境循環型の、元気なまちづくりをめざします。
- 元気で創造性豊かな標茶人を育むまちづくりをめざします。
さらに、次の5つを大きな柱としてまちづくりに取り組んでいく所存です。
1.元気な、交流ステージ標茶へ
令和元年6月から始めた、地元特産品を返礼品として送る「ふるさと納税」については、まだまだ伸びしろがあると思っていますので、引き続き積極的な活用を図るとともに、返礼品となる新たな特産品開発の支援制度を創設します。ふるさと納税は単に寄附を集めるだけのツールではなく、本町の魅力を全国各地の方々に知ってもらい、一人でも多くのファンを獲得するなど知名度アップを図ります。これまでもふるさと納税の返礼品を通じて地元特産品の魅力を全国に発信してきましたが、特産品を地元で直売する場所がない、地元の特産品を購入できる場所が無いという声もあることから、(仮称)ではありますが、物産センターの開設を目指し、将来の「道の駅」につなげる拠点整備を引き続き検討いたします。現在、本町では2名の「地域おこし協力隊」の方に本町の観光・魅力発信などを行っていただいておりますが、さらに積極的に活用し、外部からの人材導入による新たな地域資源の発掘を図り、起業化、商品化、イベントの支援などを通して地域振興を推進します。人口減少対策として移住政策を継続して強化し、塘路地区に移住者向けの住宅地の整備を検討します。釧路市からの通勤圏であると同時に、釧路湿原国立公園に隣接する地域であり、大自然の中での生活や子育てを希望する人を全国から誘致します。また、タウンプロモーションを充実して、まちの魅力発信を行います。
2.環境に配慮した、元気な産業の創造をめざして
標茶は酪農・畜産が基幹産業のまちでありますが、これまで以上に、経済団体のJAしべちゃ、森林組合、塘路漁業協同組合との連携強化により酪農、畜産、林業、水産業の振興を図るとともに、これらを下支えする商工会とも連携し、元気な産業の創造を図りたいと考えております。本町の酪農家が生産された良質な生乳から作られる、しべちゃ牛乳の生産拠点を整備するため、ミルクプラントの建設について議論されてきましたが、酪農の生産に必要な飼料、肥料、燃料などの高騰や新型コロナの影響による生乳の生産調整などにより、少し遅れることとなっていますが、ミルクプラントの建設する環境が整った時にはしっかりと支援したいと考えています。本町では大規模な酪農家が増える中で、スタンダードとなっている大型農業機械に対応する町道の改良、農地の均平を検討します。流域全体の環境保全が急務でありますが、バイオガスプラントの整備促進を図ります。育成牧場の羊の飼育については、既に地元の人気ブランドとしてふるさと納税の返礼品を中心に好評を博していますが、さらに安定して増産し、供給できるよう体制の強化を進めます。安全安心な牛づくりを進めるためには家畜の疾病対策が重要であります。そのため、家畜検査センターを本町に設立するための支援を行います。町内の豊かな森林資源については、地球温暖化を防ぐため、CO2吸収量の最大限確保に向け、森林施業を推進し林業振興を図ります。また、森林資源の持つ水源涵養や流入河川の保全、漁場の再生などにより、塘路湖など内水面の漁場環境を保全し、ワカサギなどの水産資源の安定的な確保を図り、ブランド化を推進します。新たな地元特産品の商品化などの開発・研究に支援を充実します。茅沼地区宿泊施設等の整備を推進するとともに、観光振興策との連携を深め、JR釧網本線の路線維持に努めます。
3.未来を切り開く、元気な子どもたちのために
子どもは、将来の標茶町を担う大切な宝であります。その子供たちを育てるための経済的負担をさらに軽減するため、小中学校の給食費の無料化を実施いたします。本町の基幹産業であります酪農・畜産などの理解や将来にわたり自然環境を守り育てるため、ふるさと教育、食育教育、環境教育を推進します。また、地域全体で子どもたちを育てるという視点に立ち、幼稚園・保育園・小中学校・高校の一貫した連携強化を図り、質の高い教育環境づくりに努めてまいります。今年7月に本町すべてのエリアで光回線網が整備されましたが、その回線を有効に活用し、ICT環境整備を行い情報化教育の推進を行います。
4.安全、安心な暮らしを守る
人口減少と少子高齢化が同時進行する中で、安全・安心な暮らしを守ることは喫緊の課題であります。老朽化しているみどり保育園の改築を進めます。安心して暮らせる環境づくりのひとつとして合葬墓を建立いたします。町立病院ややすらぎ園は、将来人口や今後の高齢者の推移を見ながら、改修について総合的に検討してまいります。障がいがあっても、地元で安心して働き、暮らせるよう、社会参加の機会や就労支援の充実に取り組んでまいります。高齢化社会に対応した交通体系を継続して検討して行くとともに、町内会・地域会単位での高齢者のサロンなど居場所づくり、利用者の視点に立ったサービスについて検討してまいります。本町においても台風や季節外れの降雨と融雪への対策が喫緊の課題であるため、内水対策を強化いたします。
5.町民が主役の、元気な行政をめざします
行政の拠点施設である役場庁舎について老朽化が進んでいる事から、町民開放型でコンパクトな役場庁舎の建設を検討します。町内全てのエリアで整備された光回線網を生かした産業の支援や町民生活の向上を目指す視点から研究を進めます。人口減少、少子高齢化の影響により残念ながら廃校となっている施設が複数ありますが、それらの利活用、とりわけ旧阿歴内小中学校について、公民館などの複合的な施設利用について検討いたします。
むすび
以上、2期目の町政運営にあたり、基本的な考えを述べさせていただきましたが、町議会をはじめ、町内会・地域会、JA、商工会、町社協などの諸機関、諸団体との連携を一層密にし、職員と一丸となって、お互いを尊重し思いやりに満ちたまち、自由闊達な議論の起こる、風通しの良いまちづくりに全力を傾注してまいる所存であります。
町民の皆様、議員の皆様のご支援、ご協力を切にお願い申し上げ、2期目の町政運営にあたっての所信表明とさせていただきます。
PDFファイルをご覧になるには、Adobe AcrobatReaderが必要です。
アドビシステムズ社サイト(このリンクは別ウィンドウで開きます)より無償でダウンロードできます。
標茶町役場 企画財政課企画調整係
〒088-2312 北海道川上郡標茶町川上4丁目2番地
TEL 015-485-2111 FAX 015-485-4111