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町政執行方針

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平成30年度 町政執行方針

標茶町長 池田 裕二
(平成30年3月提出)

平成30年第1回定例議会の開催にあたり、町政執行の基本的な方針並びに施策の概要について申し述べ、議員各位を始め、町民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

はじめに

社会思想家で京大名誉教授の佐伯啓思氏はこう述べています。

国家が成長を必要としたのは、もともと冷戦期に資本主義陣営が社会主義陣営に勝つためだった。「それだけのことにすぎない」。

なぜ成長が必要なのかという根源的な問いに、経済理論には実は答えがない。1972年ローマクラブがまとめた「成長の限界」は「人は幾何学級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しない」との経済成長を謳歌する人類への警告であり、人口が増え、先進国経済が膨張しすぎると、資源の使い過ぎや環境悪化などからいずれ限界が生じるという問題提起だった。ローマクラブの指摘した問題の重要性は今も変わらない。これから無理やり市場を膨張させる、成長させようとする試みは、競争や格差を激しくして、人間にとってますます生きにくい社会にしてしまうのではないか。

一方、「このままだと地球がもたない」との危機感から、2015年9月国連総会で、2030年末までに取り組む環境や開発問題に関する世界の行動計画が決定され、「誰も置き去りにしない」を共通理念に「貧困・飢餓の撲滅」「つくる責任、つかう責任」「気候変動対策」など17分野の持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、時代は持続可能な社会の実現に向けて、大きく歩き始めています。独ベルステン財団などがまとめた17年版国別SDGs達成度によると、日本は157カ国中11位。教育、経済成長と雇用、産業・イノベーションなどで目標を達成しているが、持続可能な生産と消費、気候変動、陸上(森林)資源、後発途上国とのパートナーシップそして男女間格差など5分野の評価が低く、とくに世界経済フォーラムが毎年公表する男女格差指数ランキング(2017)では前年より順位を3つ落として、144カ国中114位でした。

経団連は昨年7年ぶりに改定した企業行動憲章で「持続可能な社会の実現」を掲げ、環境や社会問題とのつながりを考えて事業を進めることは、企業にとって社会的責任を果たすだけでなく、新たなビジネス機会を得たり、事業のあり方を改善する好機にもなり、SDGsで最先端をいくモデル国家を目指すべきとしています。

その背景にはESG投資があり、ESGとは、環境、社会、企業統治の英語の頭文字で、環境とはCO2の排出削減、環境問題の解決につながる製品や技術など、社会とは女性社員の育成や登用、地域社会との関わり、雇用の安定的拡大など、そして企業統治とは経営者自身の利益や保身を排し、株主を重視し長期的な企業価値拡大に向けた経営を行うことで、社外取締役や女性取締役の選任状況、企業不祥事の有無などとされています。

2006年国連はESG投資を推進するため、責任投資原則(PRI)を提唱し、現在、世界で1700以上の年金基金や運用会社が署名し、運用資産は計62兆ドル(約7千兆円)にのぼり、日本でも年金積立金管理運用独立法人(GRIF)や大手生保など55機関が署名済みです。

資産運用・証券業界ではすでに、インパクト投資や投資先企業の業績、財務の分析だけでなく、社会問題への取り組みを含めた事業評価を始めており、今後は利益だけでなく、事業が社会課題の解決につながるかどうかが投資判断基準の一つになるとされ、企業にとっては市場への情報開示が一層重要になり、証券による資金調達、投資に関わるだけでなく、証券市場における働き方や投資教育にも大きく影響し、投資の対象者に求めるだけでなく、証券業界自身が主体的にこれらを実現しようとする宣言とされています。

従来企業に求められていたのは、法を守り、良い製品とサービスを供給し、利益を上げて税金を払うことで、すでに社会に対して十分な貢献をしているとの反対論も根強くありますが、「いい会社」の概念が変わりつつあり、ESGに配慮した経営は、単に法に従うのではなく、余分なコストをかけても環境保護活動や社会貢献を実施することで、長期の経営戦略として大きな意味がある。環境対策はコストになるが、軽視すれば長期的に資源の安定確保はできない。サプライチェーンの的確な管理も欠かせない。新興国の生活水準が上がれば、新たな市場の開拓につながる。環境や人権の重視と事業の持続可能性は表裏一体で、世界を股にかけるような巨大な企業の影響力は社会的にも政治的にも大きくなっており、企業に法律以上の規律を期待することに肯定的な認識が高まっています。

欧州でプラスティックごみを減らすための規制強化の動きが広がっています。その背景にあるのは深刻な海洋汚染、世界の海岸に漂着するごみの8割以上はプラスティック、EU域内で捨てられるプラスティックのうち、リサイクル用に回収されているのは3割に満たないとの報告もあり、容器素材の変更やリサイクルの徹底を掲げ有力企業が動き始めました。

また欧米市場ではすでにダイベストメント(投資撤退)の動きが始まっており、当初は国際的に使用が禁止されているクラスター爆弾や対人地雷など武器関連など限られた企業が対象でしたが、最近は「事業規模の大きい化石燃料やたばこ産業」まで対象が広がっています。

ある全国紙の“世の中、便利すぎ?"という特集記事の中の、大手コンビニチェーン社長の言葉です。

コンビニエンス・ストア(便利なお店)という名前のとおり、新しい商品やサービスを次々と加えてきた。誰も買い物難民にならず、朝起きてから夜寝るまでに必要なものが近くで買える。これが今の社会の要請。大災害が起きたとき、コンビニはライフラインの役割を担う。世の中を便利にしすぎて、人間を怠惰にしていないか、ですか?見方の違いでしょう。事故を起こすから車はいらないという意見もあるでしょうが、車の利便性は受け入れて事故を減らす方策を考える。コンビニは時間的にも、心理的にも、生活を豊かに便利にするためにある。

またある作家は、多くの人は今、「ここまで便利じゃなくて大丈夫」と思っているのではないか。ネット由来の便利さにも慣れ、実は陰でだれかに余計な負担をかけていたと俯瞰できるようになったのが、今。私個人も世の中も、便利さには一定のお金がかかると理解することが、日本の労働環境を変えて行く一つのきっかけになるかもしれないと語っています。

消費者に問われているのは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」、買い物のとき、企業や商品の背景に高い関心を寄せることで、これまでも、イタリア発祥の「スローフード」から発展した「スローライフ」運動、イギリスでの、環境や人々、社会、地域に配慮したお金の使い方や今持っているものを大事に使おうとするライフスタイルで、当初はファッションから始まり、生産地の途上国の労働環境を改善して生活を向上させるために、適正な価格で製品や原料を買い取る「フェアトレード」を重視する「エシカル(倫理的)」、アメリカでの健康と持続性を重視して生活する「ロハス」等々の市場が拡大しています。そして地元のモノを買って、輸送によるCO2の発生を減らし、地域の活性化にもつなげようとする「地産地消」「フードマイレージ」などや化学肥料や農薬を使わず、環境への負荷が少ない有機・オーガニック生産への関心も高まっています。そして現在では、自分がお金を預けている銀行の融資先にも気にかける、そこまで意識する消費行動が問われています。

SDGsでは目標として「世界全体の一人あたりの食料廃棄の半減」を掲げています。先日作り過ぎて売れ残った恵方巻きの大量廃棄が報道されていました。「バレンタインデー」「ホワイトデー」など過剰なまでの物日商戦、そして“いいね!"欲しさに「インスタ映え」に翻弄される消費も広がっています。

一年中平和で飢えを知らずモノがあふれる豊かな社会は「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」社会でもあります。

20年以上前になりますが、ACジャパンの「輸入してまで食べ残す不思議の国、日本」という肥満気味の猫のCMが流れていました。

日本の食品ロスは年間621万トン(2014年度推計)。国民全員が毎日ご飯を一杯ずつ捨てている計算で、世界の食糧援助量の約2倍、その半分は家庭から出ており、「少しでも賞味期限が先のものを買おうと棚の奥から取る。冷蔵庫にしまったまま期限切れに」こうした行動も食品ロスを生んでおり、「食品に新しさや完全さを求め、店に品ぞろえを要求する消費者の意識が変われば」現状は変わるはずです。

一人の百歩より百人の一歩の方が世界を変える力があり、日々の買い物は、世界のさまざまな課題を解決する力となり、地球の未来に繋がっています。

“おいしく残さず、食べきろう!"「どさんこ愛食食べきり運動」も始まっています。できることを、今日から、それが大事です。

ある全国紙の元旦の社説は「順風の年こそ難題を片付けよう」、 ラガルドIMF(国際通貨基金)専務理事がJ・F・ケネディの言葉を引用し「日が照る間に屋根の修理をしよう」と呼びかけている。

団塊の世代の社会保障費が急増する「2025年問題」を控え、財政赤字の主因は、経済成長を上回って増え続けている社会保障費の抜本改革が先送りにされていることであり、更なる歳出削減や「ゆるやかで継続的な増税」といった痛みをともなう改革が避けられないとしています。

国内外の政治、社会、経済状況は急激な変化を予感させます。こういった時代であればこそ、足元をしっかりと確かめ、前を見据え、一歩踏み出すことが問われていると思います。現実を直視すれば、本町の取り得る施策は限定的にならざるを得ないかもしれませんが、これまで本町が育んできた「共に知恵を出し合い、共に汗を流し、共に支えあう」協働のまちづくりの理念を基本に、「より安全な、より便利な、より快適な」暮らしの実現を目指して全力で取り組んでまいります。

町政の特徴について

本町の平成28年度ベースの財政状況につきましては、実質公債費比率は10.0%全道降順で62位、将来負担比率は20.9%全道降順85位であり、経常収支比率は84.6%と、依然厳しい財政状況にあります。

政府が閣議決定しました平成30年度予算案でも、国債に頼る状況は変わらず、国における財政健全化の道のりが依然厳しい状況にある中では、財源を国へ依存する本町としましても、今後も厳しい財政運営が予想されます。

安倍首相は施政方針演説の中で、「アベノミクスにより日本経済は、確実にプラス成長している。」と述べています。

しかし、人口減少が続き、過疎化に歯止めがかからない本町のような地域におきましては、その「経済の好循環」は未だ実感できないのが現状でありますが、平成30年度当初予算における町税につきましては、平成29年度と比べ3.38%の増加を見込むものであり、このような状況下にもかかわらず増加を見込めますことは、町民の皆様のご理解の賜物と感謝をする次第であります。

今後におきましても、自主財源の主軸である町税の安定的な税収の確保に努めてまいります。

また、税外諸収入金につきましても、負担の公平性を保つべく滞納整理に努め、その収納対策に力を注いでまいります。

今後も本町の礎を築く一助となるようさまざまな行政課題にきめ細やかに取り組むとともに、持続可能な町政を目指してまいります。

平成30年度で取り組む主要な施策としまして、

一点目は、農業振興対策として、酪農再興事業を再継続するとともに、新規就農者対策にも継続して取り組みます。

二点目は、子育て支援として、高校生までの医療費無料化と合わせ、子育て応援給付金を継続して支給するとともに、妊娠初期から子育て期にわたる支援体制を充実させます。

三点目は、教育対策として、標茶中学校校舎の防音工事に着手します。

四点目は、地域活性化対策として、新たな標茶町博物館のオープンや乗馬を核とした地域間交流事業を進め、交流人口・関係人口の拡大を図ります。

五点目は、安全・安心対策として、指定避難所・福祉避難所などに公衆無線LAN環境を整備いたします。

以下、施策の概要について申し述べたいと存じます。

1.みどり豊かなまちづくり

本町は、自然と折り合いをつけながら暮らしを刻み続けてきましたが、更に環境と調和したまちづくりに取り組んでまいります。

水資源として貴重な財産である「釧路川」「別寒辺牛・ホマカイ川」「西別川」の上中流域に位置する本町の任務を踏まえ、下流域に不都合な影響を及ぼすことの無いよう流域の各自治体、団体および住民との連携を強めてまいります。

生活と生産から排出される廃棄物につきましては、ゼロ・エミッション思想を基に、地域のご理解とご協力をいただきながら、再資源化、減量化の取り組みを進める一方、新たなゴミ焼却施設および最終処分場の安定した運用と維持管理に努めてまいります。

また、ごみ減量化・資源化を図るため、電気式生ごみ処理機・コンポスター・ディスポーザへの一部助成を継続するとともに、適正排出を推進するため、排出用ダストボックス・ポリバケツなどの購入費用にも一部助成を拡充してまいります。

不法投棄対策につきましては、地域団体や企業とともに「自然の番人宣言」の思想の普及と啓発を図り、取り組みの持続と拡大を推進していくとともに、違法行為に対しましては、厳しい姿勢で対処してまいります。

また、再生可能エネルギー買取量の増加に伴い、電気料金へ上乗せされる賦課金が年々上昇し、電気料金上昇の一因とされていますが、引き続き「ほっとらいふ制度」により、賦課金相当の助成を行ってまいります。

2.健やかに暮らせるまちづくり

「一人の不幸も見逃さない」との基本理念を踏まえた各種福祉施策を展開し、誰もが生涯にわたり住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らすことができるよう、町内会・地域会、民生児童委員協議会や社会福祉協議会など関係団体との連携に努めてまいります。

保険医療につきましては、新たに運営主体となる北海道と連携を図り国民健康保険事業の適切な運営を図るとともに、各種医療給付事業の適切な運営に努めてまいります。

健康意識の向上を目指すため、関係機関や関係団体と連携して、健康まつりなどの事業展開を図るとともに、受診者の利便性を考慮した特定健診や各種がん検診を同時に受診できる総合住民健診を引き続き実施してまいります。

また、脳ドック検診の一部助成につきましても、引き続き実施してまいります。

歯科保健対策につきましては、歯周病疾患の予防対策として、昨年から始めました歯周病検診を継続実施してまいります。

また、保育所および幼稚園における幼児のフッ化物洗口を継続して実施し、う歯予防に努めてまいります。

妊娠や出産に対する支援につきましては、高額な治療費負担となる特定不妊治療に対する経済的支援、および妊婦健診などに係る交通費の一部助成を引き続き実施するとともに、新たに、妊産婦などに対する24時間の相談体制と心理的および身体的ケアの提供による支援体制を構築し、妊娠初期から子育て期にわたる支援を充実してまいります。

町立病院の運営につきましては、新改革プランを基に現状の医療体制を維持し、町民の命と健康を守り、安心して生活できるよう努めてまいります。

介護保険事業につきましては、生活支援体制の整備に向け、生活支援ニーズの把握に努めることと併せ、介護予防を推進するため、地域全体で包括的に支え合う体制づくりを更に進めるとともに、「高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」の着実な実施に努めてまいります。

障がい者福祉の充実につきましては、障がい者や障がい児が自ら望む地域で自立した生活を営むことができるよう、多様化するニーズに対応できる支援体制の構築と併せ、「第3期障がい者計画・第5期障がい福祉計画・第1期障がい児福祉計画」の着実な実施に努めてまいります。

3.安心して暮らせるまちづくり

道路は、あらゆる分野を支える社会資本の基盤として、安心して暮らせるまちづくりに、重要な役割を果たしています。

国道・道道につきましては、広域道路網の整備促進と地域から寄せられた道路環境整備について引き続き関係機関へ要望してまいります。

町道の整備につきましては、継続中の改良舗装の早期完成を目指し、事業推進を図ってまいります。

また、全町的な課題となっています舗装道路の老朽化対策につきましては、地域からの要望を勘案した計画的な補修を実施し、通行の安全性の向上を図ってまいります。

橋梁など道路施設につきましても長寿命化計画に基づく定期的な点検と計画的な補修により安全性の確保に努めてまいります。

河川管理につきましては、災害に備えて効果的な改修や障害物の除去などに努めてまいります。

交通安全施設の整備や災害時の対応、除雪体制につきましては、パトロールによる情報収集を基本にしながら、民間事業者との任務分担を図り、町民の皆様の協力のもと、より安全・安心な道路環境を確保できるよう努めてまいります。

公共交通機関としての町有バスにつきましては、沿線の地域会と連携を図りながら、地域住民の足として適切に運行してまいります。

また、本町も高齢者などの交通弱者が増加しており、町立病院への通院や買い物といった日常生活の利便性を向上させるうえでは、交通弱者の足を支える公共交通の確保が必要となっています。

昨年実施した標茶市街地循環バスの試験運行を検証し、利用者などの意見要望の整理と、より利用しやすい交通手段を検討してまいります。

JR釧網本線につきましては、JR北海道が、単独では維持することが困難な路線として位置づけしており、本町としては「湿原ノロッコ号」や「SL冬の湿原号」など貴重な観光資源として、また通勤、通学などの足として必要不可欠な路線であり「釧路地方開発促進期成会花咲線・釧網線対策特別委員会」で路線維持の方策を検討してまいりました。今後も、北海道をはじめ関係機関・団体とともに路線維持のための対策に取り組んでまいります。

都市計画につきましては、都市計画審議会で議論をいただきながら、「都市計画マスタープラン」を基本に、町民が快適で安全に生活を送ることができる都市づくりに努めてまいります。

都市公園につきましては、交付金事業による遊具の更新など、長寿命化計画に沿って、より安全・安心な施設整備を推進してまいります。

上水道事業につきましては、道路改良工事と合わせた配水管の新設による管網整備および老朽管の更新などを行ってまいります。

簡易水道事業につきましては、配水施設および計装機器の更新を行うとともに、虹別地区における水量・水質の安定に向けた基本設計および実施設計業務を行ってまいります。

下水道事業につきましては、磯分内処理場の能力検証および標茶処理場の電気設備改築更新工事を行うとともに、下水道施設のストックマネジメント計画の詳細調査を実施し、さらには、道路改良工事と合わせた雨水管整備を行なってまいります。

また、整備区域の水洗化の促進と併せ、集合処理区域外における合併処理浄化槽の整備につきましては、平成26年度からの事業を継続し生活環境の保全並びに公衆衛生の向上を図ってまいります。

町営住宅の整備につきましては、長寿命化計画に基づき継続中の桜南団地の建替事業と、川上団地の住戸改善事業を実施し、より良好な住宅環境整備を進めてまいります。

その他の町営住宅整備につきましても、需要動向に即した適正な住宅供給を図ってまいります。

建築行政につきましては、住宅に関する情報提供に努めるとともに、耐震化をはじめとする、住宅や建築に関する相談への的確な対応に努めてまいります。

移住の促進につきましては、完全移住者も出てきており、本町の存在を広く知っていただくため、首都圏における相談会の開催などの情報発信と、地域環境などへの問い合わせに対するきめ細かな対応に努めるとともに、「お試し暮し住宅」が積極的に活用される環境を整えてまいります。

安全で安心なまちづくりには、防災・消防機能の整備とともに、地域住民みずから防災意識を高めることが重要であります。

災害時における防災や減災につきましては、初期対応を担う地域会・町内会活動が不可欠であり、自主防災組織の設立に向けた支援を行うことと併せ、防災訓練を継続して実施することにより防災対策と意識高揚を図ってまいります。

また、昨年、関係機関とともに設立しました「釧路川標茶地区水害タイムライン検討会」で、釧路川の氾濫に備えた「タイムライン(事前防災行動計画)」の作成を進め、大雨洪水災害に備えるとともに、指定避難所・福祉避難所などの防災拠点に公衆無線LAN環境を整備し、災害発生時の情報伝達手段の確保を図ってまいります。

あわせて、関係機関、町内会などと連携し、災害時における、要配慮者の避難行動を支援する体制づくりを進めてまいります。

また、消防機能の強化につきましては、災害対応特殊水槽付ポンプ自動車の導入や消防救急デジタル無線の更新作業を行い、消防・救急体制の整備を図ってまいります。

交通事故や犯罪のない安全なまちづくりのために関係機関、関係団体などと連携を図り、交通安全や防犯思想の普及、啓発活動を推進するとともに交通安全設備などの整備に努めてまいります。

野生大麻の撲滅に向けましては、引き続き地域会や関係団体と連携し取り組んでまいります。

しべちゃ斎場につきましては、引き続き指定管理者による管理運営を行ってまいります。

標茶霊園につきましては、計画的な園路の補修に努めてまいります。

ドクターヘリの運行につきましては、釧路北部消防事務組合標茶消防署の協力の下、救命率の向上に大きく貢献しており、今後とも事業の円滑な推進に努め、町民皆様の安全・安心な暮らしの確保を図ってまいります。

消費者対策につきましては、全国的に悪質商法や詐欺的な消費者被害は後を絶たず、本町におきましても消費者相談件数は減少傾向にありません。消費者被害を未然に防止するため、標茶消費者協会と連携した啓発活動と、広報紙によるリスク回避のための情報提供に努めるとともに、「消費者被害防止等生活安全ネットワーク」を活用したきめ細やかな情報提供に努めてまいります。

4.活気あふれるまちづくり

基幹産業の酪農につきましては、平成29年の生乳生産量は、15万5,931トンと前年並みとなりました。

これは、一昨年の台風などによる影響で越冬飼料の品質が要因と考えられますが、TACSしべちゃの生産が軌道に乗り順調に推移しているほか、個々の経営の努力により生産量も回復しつつあるものと推察するところです。さらに、乳価は安定しており、個体販売価格も若干下落傾向ですが、高値で推移し、生産者個々の経営も総じて向上していると伺っており、今後も安定的な生乳生産を維持できるよう効果的な投資を計画的に行うことが重要と考えています。

一方で、搾乳戸数の減少には、依然として歯止めがかからず、一戸当り管理農地面積が拡大しており、永年草地化による品質の低下や条件不利地が耕作放棄されることによる荒廃農地の増加が懸念されています。

このような中、平成30年度におきましては、標茶酪農再興事業を再度継続し、草地更新の促進とバイオガスプラントおよび畜舎環境整備の負担軽減を図るとともに、しべちゃ農楽校を拠点とし、担い手育成協議会を軸に指導農業士などの指導、助言をいただきながら新規就農対策を推進してまいります。

また、バイオマス産業都市構想に基づき、適正な家畜排せつ物処理と臭気の軽減対策などに対する具体的な事業の取り組みに向け、標茶町エコヴィレッジ推進協議会を中心に農業者への理解と住民周知に努めてまいります。

最重要の懸案でありました食肉加工センターの設置につきましては、TPP11や日欧EPAの大筋合意などの国際化の一層の進展による道産牛肉をめぐる将来不安も大きいことなどの情勢変化もあり、設置計画を一時凍結することとなりました。環境が好転する見通しが生じた時点で、再度設置に向けた協議を再開する方針となったところです。

標茶町育成牧場は、利用効率を高めるため、入牧基準の厳格化と繁殖プログラムの強化による在牧期間短縮に取り組みます。粗飼料、飼料作物ともに、単位あたりの可消化養分総量を増やすため、繊維質の分解に効果のある酵母を用いたサイレージ調製を試験的に取り組みます。

TPP11や日欧EPAをはじめとする国際貿易交渉につきましては、今後の動向と国や道が講じます対策などを注視するとともに、その内容や状況によって関係機関・団体などと連携し対応してまいります。

林業につきましては、国では第5次地域管理経営計画を策定し、適切な森林整備および保全などの実施により、持続的な森林の管理・経営の確立および地域ニーズに応じた木材の安定供給体制の構築による地域産業の振興と生活環境の保全や水源のかん養など、森林の多面的機能の発揮や山村地域の活性化を図るとともに、地球温暖化の防止などへの取り組みを推進するとしています。

また、民有林整備を引き続き支援するほか、町有林におきましても、林業専用道による路網整備の継続と既設林道などの維持補修を行い、森林の計画的な管理を図ってまいります。

農林業に甚大な食害をもたらしているエゾシカ対策につきましては、引き続き猟友会のご協力をいただきながら、鳥獣被害対策実施隊による有害駆除の実施と農林業者の自衛策として、わなの活用を積極的に推進するとともに、資源としての有効活用に向けた取り組みを進めてまいります。

漁業の振興につきましては、漁獲の主力でありますワカサギのふ化放流による個体確保に向けた増殖事業への支援強化を引き続き進めるとともに、漁場となる湖沼の環境保全に向けた取り組みを地域関係団体の皆様とともに推進してまいります。

商工業の振興につきましては、商店街の活性化を図るため商工会と連携し、生活応援共通お買い物券事業の実施や買物弱者支援としての側面を持つ出前商店街の取り組みを推進するほか、起業される方に対しましては、GoGoチャレンジショップ事業により引き続き支援をしてまいります。

経営資金の需要に対しましては、金融会議などの議論を踏まえ、必要とされる支援の効果的な運用を図ってまいります。

さらには、町広報紙への低廉な有料広告掲載などにより、事業活動の支援を引き続き行ってまいります。

観光の推進につきましては、「観光振興計画」に沿って、観光協会をはじめとする関係団体や圏域関係機関と連携を更に強化し、本町の持つ自然環境や産業遺産、観光施設などを生かした事業を展開するとともに、引き続き誘客活動を推進するため、道東自動車道釧路延伸観光推進事業を始めとする近隣町村との連携事業のほか、北海道くしろ地域・東京特別区交流推進事業につきましても、管内市町村連携事業として、継続して取り組んでまいります。

雇用環境につきましては依然厳しい状況下ではありますが、単独公共事業の早期発注や冬期雇用対策事業の展開による経済的安定化を図るとともに、千葉県浦安市で隔年開催されている「ゆーゆーカーニバル」に出店するなど、企業誘致の推進および起業や事業拡大に対する支援を通じ、地元で働きたいと思う方の雇用の場の確保と、情報の提供を商工会などと連携し推進してまいります。

5.笑顔あふれるまちづくり

子育て支援につきましては、平成27年度から「標茶町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、支援サービスのニーズに応えていくための体制づくりを進めています。

その一環としまして、子育て応援給付金の支給や子育て応援チケット「みるくっく券」の贈呈、おむつなどの無料回収や高校生までの医療費無料化などを引き続き実施し、子育て世代の経済的負担の軽減を図ってまいります。

児童福祉の中核であります保育所につきましては、引き続き、適正かつ効率的な運営と地域との交流をつうじて連携を図りながら、多様な子育て支援の環境づくりを推進してまいります。

さらに、町内で生産された食材を活用した「ふるさと給食」を取り入れ、「標茶」に対し愛着を持ってもらう取り組みとして進めてまいります。

また、子育て支援センターや子ども発達支援センターを軸に、子育てサロンを通じた乳幼児を持つ保護者同士の交流の場の確保や、発達に不安を抱える児童の療育や身近な子育て相談を展開するなど、子育て支援事業の充実を図るとともに、児童の健全な育成のために標茶児童館の機能強化を進めてまいります。

学校の防音対策につきましては、標茶中学校校舎防音工事を進めてまいります。

本年7月にオープンする標茶町博物館を新たな地域発信拠点として、機能充実に努めるとともに、町指定文化財であります「旧北海道集治監釧路分監本館」の耐震化につきましては、創建当初の間取りの復元と耐震補強を含めた保存整備事業を進め、集治監関連施設の北海道遺産登録に向けて取り組んでまいります。

標茶高等学校におきましては、地域活動への参加を通じ、多岐に渡って本町の活性化に寄与しており、またさまざまな活動が各方面から高い評価を得ていることなどから、本町にとってなくてはならない貴重な財産であるため、引き続き教育振興会をつうじて支援を行うとともに、間口維持に向けた取り組みにつきましても、教育振興会と連携を図ってまいります。

合宿の誘致につきましては、本町を全国的に知っていただける手段として有効であり、また地域経済に対する好影響と児童生徒の技術向上につながっていることから、全国規模の大会における誘致活動を推進するため誘致委員や関係団体と連携してまいります。

昨年度から事業展開しています地域間交流事業「馬と共に暮らせる町・・・標茶」につきましては、引き続き地域おこし協力隊と協力し、モニターツアーなどの企画を関係事業者と展開するとともに、引退した乗用馬の引き受けなど新たな取り組みも視野に、乗馬を核とした移住・定住に繋がる取り組みを継続して実施してまいります。

また、北海道日本ハムファイターズの標茶町応援大使によるPRや町民との交流事業を行い、交流人口と関係人口の拡大を目指してまいります。

6.ともに進めるまちづくり

「まちづくり」の主人公は、町民の皆様です。

それは、行政主導ではなく主権者たる町民と町民から選ばれた議会がそれぞれの役割を持ち、その役割の中で互いに支え合い、行動していくことが大事であると考えています。

本町に、脈々と受け継がれてきた「協働のまちづくり」の理念は、我が町の誇りでもあり、その礎となります町内会・地域会の活動は、本町の「まちづくり」の根幹でもあります。この理念が、世代を超えて受け継がれ、「まちづくり」に寄与されるよう、活動の主体性を尊重し、必要とされる協力と支援を行ってまいります。

また、さまざまな目線を通して行政運営ができるように、各種団体の主体的な活動を促進してまいります。

行政と町民の皆様の間には、情報の共有化が不可欠なことから、広報広聴活動の充実に努めるとともに、審議会や各種委員会の意見を聴取することと併せ、積極的な女性の参画を進めてまいります。

行政の自主性を発揮するためには、財政の健全化と自主財源の確保は最優先の課題であることから、口座振替やコンビニ収納の導入により納税者である町民の皆様が納付しやすい環境を整えるなど、収納対策の強化を継続して進めてまいります。

平成30年度におきましても、限られた財源の中で、多様な住民ニーズに応える行政サービスを展開していくために、「第4期行政改革実施計画」に基づく取り組みを核とし、行政の効率化と課題推進を図るための組織体制を構築するとともに、健全な財政運営を図りながら、基本理念である「自律と協働のまちづくり」を目指し、町民の皆様とともに考え行動する「まちづくり」に取り組んでまいります。

おわりに

以上、平成30年度の町政執行に臨む方針の一端を述べさせていただきました。

温暖化の影響でしょうか、異常気象が頻発しています。昨年の夏は初めて住民避難勧告を発令した一昨年に比較すれば平穏だったと思いますが、冬を迎え、ラニーニャ現象の発生が報告されており、緊張感をもって警戒を怠らないことが肝要です。

基幹産業酪農をとりまく状況については、市場経済とグローバル化の流れが加速され、TPP11や日欧EPAの影響、また国内的には「強い農業」と「輸出拡大」を目指す規制緩和の行方など先行きの見通しは不透明さを増していますが、本町においては、昨年は越冬飼料の確保は総じて順調に経過し、生産乳量も前年並みを維持し、乳価アップや関連対策の大型予算なども措置され、個体価格も、まだまだ高値水準に留まっており、経営は好況を維持しているとのことです。

自然に対し何故という質問は意味がないと言われています。自然はコントロールできませんし、想定した条件の下でしか安全は確保されませんが、先人に習い、隣・近所・地域の助け合う心を大事に、声かけや見回り、訓練を繰り返しながら、日頃から備えることが重要と肝に銘じ、これからも住民の安全を第一に判断してまいります。

誰もが健康で安心して暮らすことのできる「住んでよかった、これからも住み続けたい」と思える元気な声と笑顔あふれる町を目指して、町民が主役、主体の町づくりに全力で取り組んでまいります。

町民の皆様並びに町議会、各団体のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、町政執行方針といたします。

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お問い合わせ先

標茶町役場 企画財政課企画調整係
〒088-2312 北海道川上郡標茶町川上4丁目2番地
TEL 015-485-2111 FAX 015-485-4111

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