町政執行方針
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令和6年度 町政執行方針
令和6年標茶町議会第1回定例会の開催にあたり、町政執行の基本的な方針ならびに施策の概要について申し述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
はじめに
令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に、謹んでお悔やみを申し上げるとともに被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 そして、千島海溝沿いの巨大地震発生が懸念されているなか、改めて町民の皆さんの安全安心なまちづくりを実現するために、さらに防災・減災に向けて取り組むことに意を強くするところです。町民各位におかれましても、あらゆる場面を想定し、いざという時に何をしなければならないのか、普段から常に考え備えて頂くことを切に願うところです。
新型コロナウイルス感染症が昨年5月から5類感染症になり、ポストコロナ社会、すなわちコロナ禍の経験をもとに従来の延長ではない、生活様式や価値観の変化が到来すると言われています。そしてまた、国立社会保障・人口問題研究所による2050年の人口推計では、本町においては減少率43.26パーセント、2050年推計で4,102人になるとの予測が公表されています。一方、国外に目を向けるとウクライナやパレスチナでの紛争は収束の兆しが見えず、私たちの暮らしはこれまでにない不透明感に包まれているといえます。
しかしながら、このような中にあっても、まちづくりの歩みを止めるわけには行きません。
基幹産業である酪農・畜産においては、コロナ禍における牛乳や牛肉の需要減少、国際情勢や経済の変動の影響などから依然として厳しい状況が続いておりますが、本町の屋台骨をより持続的で強固なものとするため更なる支援も必要です。国や北海道に強く働き掛けるとともにJAしべちゃなど関係機関と連携を強め対策を進めるとともに農畜産物のさらなる高付加価値化など6次化の推進を図ってまいります。
ふるさと納税は、令和元年度から始めましたので後発ですが、これまで多くの寄附を頂いています。新たな返礼品を開発するなど、事業者の皆様には、本当に感謝を申し上げます。また、標茶町を選んで寄附頂きました多くの皆様にも心より感謝を申し上げます。制度の是非論は承知していますが、本町の特産物のPRのみならず、町全体の経済の活性化等さまざまな効果がありました。引き続き新たな特産品開発や研究への助成制度を設けるなど、さらなる拡充を目指してまいります。
企業版のふるさと納税も前年を超える金額となっています。これまでの標茶町とゆかりのある企業から、標茶町のまちづくりの応援団になって頂いていますので、引き続きトップセールスを行ってまいりたいと考えています。
近年の気候変動による影響は、私たちの生活や産業に幅広く及ぶことが予測されていることから、ゼロカーボンシティ宣言をし、脱炭素化や再生可能エネルギーの活用などの施策を進めています。
また、釧路湿原国立公園、阿寒摩周国立公園、厚岸霧多布昆布森国定公園と国の公園が3つあるのは全道でこの標茶町だけです。この恵まれた大自然の中で、自然とともに酪農畜産が営まれております。先人が残した貴重な財産である大自然を、より適切な形でバトンタッチしていくのが我々の使命であると考えています。現在、釧路湿原周辺での太陽光発電所の建設が相次でいる事から、景観行政団体への移行や条例化による一層の環境保全を検討してまいります。
人口減少は、将来のこの町の姿を考えるうえで重要な課題です。移住促進や関係人口の創出などの進めることと併せ、将来人口に対応した、身の丈に合ったまちづくりの推進と10年後、20年後を見据え、標茶が元気なまちであり続けるために、いま何をすべきなのかを常に考え町政運営にあたって行きたいと考えています。
さまざまな課題に直面しておりますが、ひとつずつ着実にクリアするとともに、先行きが不透明な時代だからこそ果敢に挑戦し、この町がもつ無限の可能性を引き出し、多くの町民の皆様の英知を結集して、持続して発展する「もっと元気なしべちゃへ‼」を掛け声に町民の皆様とともに全力で取り組んでまいります。
町政の特徴について
本町の令和4年度ベースの財政状況につきましては、実質公債費比率は9.1パーセント全道降順で80位、将来負担比率は46.3パーセント全道降順34位であり、経常収支比率は91.7パーセントとなっています。
政府が閣議決定しました令和6年度予算案でも、国債に頼る状況は変わらず、国における財政健全化の道のりが依然厳しい状況にある中では、財源を国へ依存する本町としましても、今後も厳しい財政運営が予想されます。
町内経済情勢は、長期に及んだコロナ禍からの経済活動の正常化が進みつつある中ではありますが、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発する世界情勢の緊迫や急激な円安を背景に物価の高騰が続き、依然として厳しい中にあります。これらの対応に加え、防災・減災を始めとする安全安心な暮らしの実現、高齢化社会の進行への対応、SDGsの実現とデジタル田園都市国家構想の推進など、増大する行政需要に的確に対処しながら、活力ある地域社会づくりを進めていくことが求められています。自主財源の主軸である町税の大幅な増加は見込めませんが、納税者皆様のご理解をいただき安定的な税収を確保するよう努めてまいります。税外諸収入金につきましても、負担の公平性を保つべく滞納整理と収納対策に力を注いでまいります。
今後も持続可能な町政を目指し、さまざまな行政課題にきめ細やかに取り組んでまいります。
令和6年度で取り組む主要な施策としまして、
一点目は、地域活性化対策として、馬を核とした地域づくりを進め、地域おこし協力隊や町内の民間事業者と連携しながら、本町の大自然を舞台に観光資源として馬と触れ合えるアクティビティやその拠点の整備を進めることで地域活性化に取り組みながら、ふるさと納税や各種SNSにより町内外に向けた情報発信を図ってまいります。
また、今年オープン予定の「釧路湿原かや沼観光宿泊施設」を中心に観光情報発信をしながら、民間事業者と連携し、手つかずの豊かな自然を生かしたアクティビティの提供を行いながら関係人口・交流人口の創出の拡大を図ってまいります。
さらには、ふるさと応援大使である女優の高橋惠子様には、標茶で新作映画の撮影の構想もあり、フィルムコミッションを立ち上げ、本町をより発信するきっかけとなることを期待しております。
人口減少対策として、大自然への入り口である塘路地区をモデル地域として移住促進事業を実施しており、分譲地の斡旋や土地取得および住宅を購入する方への給付制度も進めております。
二点目は、農業振興対策として、生産基盤強化に向けた取り組みへの支援の継続と牛乳・乳製品の消費拡大に引き続き取り組み、厳しい情勢下にある本町酪農を支援してまいります。また、新規就農者対策も継続して取り組んでまいります。
めん羊事業につきましては、羊の安定供給とブランド化を目指し、取り組みを進めてまいります。
三点目は、教育対策として、1人1台端末の効果的な活用などICT教育の充実を進めるとともに、小中学校の給食費の無償化を継続し、保護者負担軽減対策に取り組んでまいります。
四点目は、子育て支援として、保育料の無料化、大学生までの医療費無料化を継続するとともに、妊娠期から出産・子育て期への切れ目のない支援、安心して子どもを生み育てることができる環境づくりに取り組んでまいります。
五点目は、安全・安心対策として、引き続き標茶市街地の内水処理計画の策定を進めるとともに、各地域のコミュニティタイムラインの策定を進めてまいります。
また、災害時の断水等の事態に備え、阿歴内地区について防災井戸の確保に向けた取り組みを進めてまいります。
以下、施策の概要について申し上げます。
1.みんなで魅力と価値を生み出すまち
本町は、自然と折り合いをつけながら暮らしを刻み続けてきましたが、さらに環境と調和したまちづくりに取り組んでまいります。
水資源として貴重な財産である「釧路川」「別寒辺牛川・ホマカイ川」「西別川」の上中流域に位置する本町の責務を踏まえ、下流域の各自治体、団体および住民との連携を強めてまいります。
本町では、再生可能エネルギーの活用などで脱炭素化に配慮したまちづくりを目指し、令和4年3月にゼロカーボンシティ宣言をしました。町面積の54パーセントを占める森林につきましては、森林経営計画に基づいた間伐や植栽などを行い、二酸化炭素吸収源としての公益的機能を最大限発揮できるよう適正な森林施業を実施するとともに、林業DXを活用したJ-クレジット発行の実証についても研究してまいります。再生可能エネルギーの普及を推進しながらも先人が残した貴重な財産である大自然を、より適切な形で次世代へつなげていくため、また観光資源にもなっている私たちの自然環境を守るための取り組みも同時に進めてまいります。その他の取り組みの一つとして、標茶町エコヴィレッジ推進協議会を取組主体として、基幹産業である酪農畜産業で排出される家畜ふん尿の適正管理を徹底し河川及び周辺環境を保全するとともに、地域資源として家畜ふん尿を有効活用するため、バイオガスプラント導入に向けた協議を進めてまいります。また、町有車両のEV化や、町有施設の照明器具のLED化、みどり認定こども園改築において地中熱を採用した再生可能エネルギー導入など省エネルギー効果・CO2排出量削減効果・環境負荷低減効果を有した手法を採用しカーボンニュートラルに向けて引き続き取り組んでまいります。町民の皆様にも、さまざまな再生エネルギーの有効活用、食品ロスの削減など、一人一人ができることから、取り組んでいただきたいと考えています。
基幹産業の酪農につきましては、2年間にも及ぶ生乳の生産抑制が行われた結果、令和5年の生乳生産量は対前年比95.2パーセントの169,528トンとなりました。
昨年秋にホクレンと乳業メーカーは、令和5年12月からの平均乳価を1キロあたり2円20銭値上げすることで合意したほか、生産者団体は3年ぶりの増産を決めるなど、前向きな情報も入ってきてはおりますが、生産資材価格の高止まりや搾乳後継牛の確保の問題など、今後も厳しい情勢が続くことが予想されることから、酪農再興事業による生産基盤強化に向けた取り組みへの支援を継続するほか、引き続きしべちゃ牛乳の学校給食への提供をはじめ、酪農振興会連合会と連携した取り組みを計画するなど、牛乳・乳製品の消費拡大に努めてまいります。
また、しべちゃ農楽校を拠点に、担い手育成協議会を構成する関係機関や関係団体と連携し新規就農対策を推進してまいります。
家畜伝染病対策につきましては、生産者の規模拡大により予防の重要性が増していることから家畜防疫アドバイザーを引き続き配置します。また、令和4年度以降標茶町内のみならず釧路管内全体でサルモネラ症が数多く発生していることから、JAしべちゃをはじめとする関係機関と連携し、飼養衛生管理基準に係る農場指導を強化してまいります。
令和3年度から取り組みをスタートさせている、釧路町と標茶町との広域連携ブランド化推進事業につきましては、新たな特産品の開発などの研究を引き続き進めてまいります。
野菜生産は「釧路ほくげん大根」のブランド名も定着し、本町にとっても重要な産業の一つとなっています。本年も安定的な生産をする上で重要な土壌改良に対して、継続して支援してまいります。
標茶町育成牧場は、酪農分業化の進展により利用者ニーズの高い哺育から育成までの一貫養育に応えられるよう、きめ細やかな飼養管理に努め、サルモネラ症をはじめとした家畜伝染病対策プログラムを確立させ危機管理意識を維持しながら防疫対策を継続してまいります。また、健康な牛を育てるための良質な土・草・水の利用に努め、道営事業や自主施工による草地整備を継続してまいります。さらに、これまで進めてきためん羊の血統群改良データを生かし、めん羊生産振興を発展させ地域需要に応えるため、地域おこし協力隊や官民連携のもと増頭計画を進め、ブランド化や営農モデルの構築など取り組みを行ってまいります。
林業につきましては、持続的な森林の管理・経営の確立による、森林の多面的機能の発揮や地球温暖化防止などへの取り組みが求められています。本町においても森林整備計画に基づいた計画的な森林整備を促すとともに、森林環境譲与税を活用し、森林整備およびその促進に対する支援などを行ってまいります。
また、町有林におきましては、計画的かつ効率的な管理を進めるため、林業専用道による路網整備と既設林道などの維持補修を行ってまいります。
農林業に甚大な被害をもたらしているエゾシカ対策につきましては、引き続き猟友会のご協力をいただきながら、鳥獣被害対策実施隊による捕獲の実施と、農林業者の自衛策として、わなの活用を積極的に推進するとともに、資源としての有効活用に向けた取り組みを進めてまいります。
また、令和元年から相次いで発生したヒグマによる家畜被害につきましては、昨年7月30日に隣接町において問題個体が捕獲され、経済的被害も終息するという点で安堵しているところですが、昨今は全道的にヒグマによる農業被害や人身事故が相次いで発生していることから、北海道や近隣町村等と連携した被害防止に向けた取り組みを引き続き行ってまいります。
漁業の振興につきましては、漁獲の主力でありますワカサギの ふ化放流による増殖事業への支援を引き続き進めるとともに、漁場となる湖沼の環境保全に向けた取り組みを地域の皆様とともに推進してまいります。
商工業の振興につきましては、新たな特産品の商品化に対する開発・研究の取り組みへの支援を継続して行うとともに、(仮称)物産センターの整備に向けて検討を進めてまいります。
また、商工会の運営支援および財政支援に努めるとともに、買物弱者支援としての側面を持つ出前商店街の取り組みを推進するほか、事業承継の機運醸成に資するセミナーを共催し、新たに創業される方や既存事業を拡大される方に対しましてはGOGOチャレンジショップ支援事業により引き続き支援してまいります。
経営資金の需要に対しましては、金融連絡会議での議論や町内情勢などを踏まえ、必要とされる支援を検討してまいります。
また、町広報紙への低廉な有料広告掲載などにより、事業活動の支援を引き続き行ってまいります。
観光の推進につきましては、観光協会をはじめとする関係団体や圏域関係機関との連携を強化し、引き続き誘客活動を推進するための事業に積極的に取り組み、Facebook、Instagram、YouTubeなどを活用した観光情報の発信を進め、「地域おこし協力隊」による新たな地域の魅力発掘やおもてなし事業を展開し、交流人口・関係人口の拡大を目指してまいります。
また、町民の憩いの場であり、さらに本町の観光拠点施設である「釧路湿原かや沼観光宿泊施設」につきましては、指定管理者と連携を図りながらグランドオープンに向けて準備を進めてまいります。
雇用環境につきましては、人手不足が深刻化する厳しい状況下ではありますが、単独公共事業の早期発注により工期を平準化し、季節労働者に対しましては冬期雇用対策事業の展開による経済的安定化を図ってまいります。
2.みんなで支えあう健やかなまち
町民誰もが生涯にわたり住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らすことができるよう、各種福祉施策を展開するとともに、町内関係団体との連携に努めてまいります。
国民健康保険制度および後期高齢者医療制度の運営につきましては、運営主体と密に連携を図りながら実施し、各種医療給付事業につきましても、適切な実施に努めてまいります。
また、脳ドック検診の一部助成につきましては、早期発見、早期治療や予防の促進を図るため、引き続き実施してまいります。
保健事業の推進につきましては、「第3期データヘルス計画」に基づき、関係機関や団体と連携し、健康まつりなどの事業展開による健康意識の向上を推進してまいります。
高齢者の保健事業につきましては、国保データベース(KDB)システムなどを活用し、地域の健康課題を分析し、介護予防と一体的に取り組むことで適切かつ効果的なサービス提供を行い、健康寿命の延伸につなげてまいります。
また、本年度から帯状疱疹の発症予防および罹患後の後遺症を防ぐことを目的に、50歳以上の方の帯状疱疹ワクチン接種費用の一部助成を行ってまいります。
歯科保健対策として、歯周病検診を引き続き実施するとともに、う歯予防対策として、保育所や認定こども園でのフッ化物洗口を継続してまいります。
妊娠や出産に対する支援として、特定不妊治療に対する経済的支援や妊産婦健診などに係る交通費の一部助成を引き続き実施してまいります。
伴走型相談支援事業および出産子育て応援給付金の一体的実施事業として、産前産後の面談を実施するとともに、出産応援給付金、子育て応援給付金の給付を行ってまいります。
子育て困難世帯に対する早期の支援体制を構築するため、出産前後の妊産婦の心身の変化に対応できるよう、24時間の相談体制と産後ケア事業により継続して支援を行ってまいります。
また、新生児聴覚検査費用の助成を引き続き実施し、早期発見と早期支援に努めてまいります。
さらに、子育て世代が安心して子どもを産み育てることができるよう、切れ目のない支援の環境づくりを充実させてまいります。
町立病院の運営につきましては、昨年度看護師不足から夜間および休日・祝日の救急外来を休止せざるを得ない状況となりました。
以前から看護師の人材確保が困難な状況にある中で積極的な働きかけを行い退職分を補充し、令和5年12月から再開したところであります。
また、4月からは、医師1名を採用し、常勤医師3名体制で内科診療を行うこととしておりますが、今後におきましても不足する職域の人材確保に努めるとともに、可能な限り現状の医療体制を継続できるよう業務の効率化や経営の健全化に傾注し町民の命と健康を守ると同時に、町民が安心して生活できるよう最善を尽くしてまいります。
介護保険事業につきましては、地域全体で包括的に支え合う体制づくりを進めるとともに「高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画」の着実な実施に努めてまいります。障がい者福祉につきましては、障がい者や障がい児が、自立した生活を営むことができることを基本に、多様化するニーズに対応するための支援体制の構築を推進してまいります。
また「第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」に基づき各種施策の着実な実施に努めてまいります。
社会福祉につきましては、引き続き「ほっとらいふ制度」により、高齢者世帯や低所得世帯などへの助成を行ってまいります。
子育て支援につきましては「第2期標茶町子ども・子育て支援事業計画」の着実な実施に努めるとともに、「第3期標茶町子ども・子育て支援事業計画」の策定を進めてまいります。
子育て応援チケット「みるくっく券」の贈呈や大学生までの医療費の無料化を継続し、経済的負担の軽減を図るとともに、新生児に木育記念品としてフォトフレームの贈呈、生後7カ月の乳児に絵本を贈るブックスタート事業を引き続き行ってまいります。
児童福祉の中核であります保育所につきましては、保育と教育の一体化による子どもの成長の充実と施設の有効活用を図るため、さくら保育園、標茶幼稚園を統合し、さくら認定こども園へ移行、みどり保育園は、みどり認定こども園へ移行し、改築実施設計に着手するとともに、保育料の無料化を継続して実施してまいります。
また、適正かつ効率的な運営や地域との交流を通じて連携を図りながら、多様な子育て支援の環境づくりを推進するほか、引き続き待機児童の解消に向け努力してまいります。
さらに、町内産の食材を活用した「ふるさと給食」の取り組みについても「ふるさと標茶」に対し愛着を持ってもらう取り組みとして引き続き進めるとともに、へき地保育所への給食提供も継続して実施してまいります。
乳幼児を持つ保護者が交流できる場として、子育てサロンを継続し、また、発達に不安を抱える児童の療育や身近な子育て相談を、子育て支援センターや子ども発達支援センターを軸に関係機関の協力を得ながら事業の充実を図るとともに、児童の健全な育成に資するよう標茶児童館の利用促進を図ってまいります。
3.みんなが安心して暮らせるまち
道路は、あらゆる分野を支える社会資本の基盤として、安心して暮らせるまちづくりに、重要な役割を果たしております。
広域道路網の幹線となる国道・道道につきましては、継続して整備促進と地域から寄せられた道路環境の整備について関係機関へ要望してまいります。
町道の整備につきましては、継続中の改良舗装の早期完成を目指し、事業推進を図ってまいります。
舗装道路の老朽化対策につきましては、道路パトロールや舗装個別施設計画に基づいて計画的に補修を実施し、安全性の向上を図ってまいります。
橋梁につきましても橋梁個別施設計画に基づいて定期的な点検と計画的な補修により、施設の長寿命化を図り安全性の確保に努めてまいります。
除雪および災害時の対応につきましては、パトロールによる情報収集を基本にしながら、民間事業者との任務分担を図り、安全安心な道路環境を確保できるよう努めてまいります。
河川管理につきましては、継続的にパトロールを実施し適正な管理に努めてまいります。
公共交通機関としての町有バスにつきましては、利用者や沿線の地域会と連携を図りながら、適切に運行してまいります。
また、本町も交通弱者の足の確保が課題となっており、市街地のりあいハイヤーの試験運行を行いながら、公共交通のあり方を検討してまいります。
JR釧網本線につきましては、JR北海道が、単独では維持することが困難な路線として位置づけしています。本町としましては「くしろ湿原ノロッコ号」や「SL冬の湿原号」、「ザ・ロイヤルエクスプレス」、北海道周遊列車「HOKKAIDO LOVE!ひとめぐり号」などの観光列車を貴重な資源として、また、通勤・通学などの足として必要不可欠な路線であることから「JR釧網本線維持活性化推進協議会」および北海道をはじめとした関係機関や関係団体とともに路線維持、利活用のための対策に引き続き取り組んでまいります。
高度情報化の対応につきましては、引き続きWi-Fi無線局の購入費用を助成するなど、誰でもデジタル化による利便性を享受できるよう取り組んでまいります。
また、町ホームページや各種SNSなどを活用したわかりやすい情報の提供を進め、デジタル技術を活用した業務効率化や行政サービスの向上に努めてまいります。
都市公園につきましては、公園施設長寿命化計画に基づいた定期点検および補修を実施し、安全で快適な公園施設の管理に努めてまいります。
水道事業につきましては、簡易水道事業が地方公営企業法を適用し、既存の上水道事業と会計統合するとともに、資産管理や経営戦略を含めて経営基盤の強化に取り組み、老朽管の更新および施設の改修ならびに計装機器の更新を行ってまいります。
下水道事業につきましても同様に地方公営企業法を適用し、経営基盤の強化に取り組むとともに、標茶終末処理場の耐震詳細診断を行い、施設の改修計画を進めてまいります。
また、集合処理区域外における合併処理浄化槽設置者への助成事業を推進し、生活環境の保全ならびに公衆衛生の向上を図ってまいります。
しべちゃ斎場につきましては、引き続き指定管理者による運営を行うとともに、適切な管理に努めてまいります。
標茶町合葬墓につきましては、令和5年10月に完成し、11月より供用開始をしておりますが、利用の問い合わせも多いことから、適切な管理、運営に努めてまいります。
廃棄物処理につきましては、循環型社会の構築に向け、再資源化、減量化の取り組みを進める一方、焼却施設および最終処分場の安定した運用と維持管理に努めてまいります。
また、ごみ減量化・資源化を図るため、電気式生ごみ処理機・コンポスター・排出用ダストボックス・ディスポーザに係る購入費用に対する一部助成事業を継続してまいります。
町営住宅の整備につきましては、公営住宅等長寿命化計画による住戸改善事業を、桜団地および虹別団地で継続し、より良好な住宅環境整備を進めてまいります。
町民が永く安心して住み続けられる住まいづくりのため、住宅の新築およびリフォームに対するマイホーム応援事業を継続してまいります。
建築行政につきましては、住宅や建築に関する相談への的確な対応や情報提供に努めてまいります。
安全で安心して暮らすことのできる災害に強いまちづくりには、防災・消防機能の整備とともに、防災意識の向上を図ることが重要であります。
防災力向上には、町内会・地域会との連携が不可欠であり、自主防災組織の設立や活動の支援を行うことと併せ、コミュニティ・タイムラインの策定を進めるとともに、釧路川の氾濫に備えた「多機関連携型タイムライン(事前防災行動計画)」に基づく防災訓練を継続して実施することにより防災対策と意識高揚を図ってまいります。
また標茶市街地の抜本的な内水処理対策を講じるため引き続き内水処理計画の策定を進めるとともに改定を進めてきた標茶町耐震改修促進計画に基づく改修等の支援制度を見直し、住宅耐震化の支援制度の充実に努めてまいります。
消防機能の強化につきましては、久著呂消防部に配備しております小型動力ポンプ付積載車を更新するとともに消防職員・団員の訓練や救急救命士の養成など消防・救急体制の整備を図ってまいります。
交通事故や犯罪のない安全なまちづくりのために関係機関や関係団体と連携を図り、交通安全や防犯思想の普及、啓発活動を推進してまいります。
消費者対策につきましては、消費者に対する勧誘などの手口が巧妙化しているほか、いわゆる定期購入契約によるトラブルが増加しています。消費者被害を未然に防止するため、標茶消費者協会と連携した啓発活動および町広報紙による情報提供に努めるとともに「消費者被害防止等生活安全ネットワーク」の活用により関係団体との情報共有を図ります。また、専門的な相談窓口である釧路市消費生活センターとの連携により、多様化する消費生活相談に応え得る体制の確保を図ってまいります。
4.みんながいきいき学んで育つまち
学校教育では、「ふるさと標茶に誇りと愛着をもち、自らの夢の実現のために挑戦し続ける子どもの育成」を図ってまいります。
また、学校教育・社会教育が一体となって地域における幅の広い教育活動により、「町民すべてが生涯にわたって学び、自らの人生をよりよいものにしていく教育諸条件や教育環境の整備」を推進してまいります。
ICT教育に関しましては、通信環境が充実されたことから、その回線を有効活用しGIGAスクール構想など「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実を進めてまいります。
ふるさと教育につきましては、ふるさとへの愛着や誇りを育むため、小学生の釧路川カヌー体験を継続し、各地域の特色を取り入れた教育を実施してまいります。
また、保護者の経済的負担を軽減するため、学習教材費サポート事業などにより引き続き学校の教材費の公費負担と合わせ、標茶高校への給食提供や小中学校の児童生徒の給食費の無償化を継続し、子育て世帯の支援を実施してまいります。
生徒が将来にわたり、スポーツ・文化芸術活動に親しむことができる機会を確保することを目的に中学校における学校部活動の地域移行を進めることとし、まずは標茶中学校における指導体制の整った休日の部活動から試行してまいります。
また、高齢者の社会参加の機会として、公民館を拠点に地域ふれあいサロンを実施し、高齢者の居場所づくりを進めてまいります。
標茶高校は、地域活動の展開を通して、多岐にわたって本町の活性化に寄与しており、さまざまな活動が各方面から高い評価を得ていることなどから、本町にとってなくてはならない貴重な財産であるため、引き続き教育振興会を通して支援を行うとともに、間口維持に向けた取り組みとして通学費の一部助成を継続し、新たに全国から生徒を募集する地域みらい留学への参画費用を助成するなど、高校と連携して生徒確保に努めてまいります。
5.みんなで創造できるまち
「まちづくり」の主役は、町民の皆様です。
本町に、脈々と受け継がれてきた「協働のまちづくり」の理念は、我が町の誇りでもあり、その礎となります町内会・地域会の活動は、本町の「まちづくり」の根幹でもあります。この理念が、世代を超えて受け継がれるよう、活動の主体性を尊重し、必要とされる協力と支援を行ってまいります。
また、さまざまな目線を通して行政運営ができるように、各種団体の主体的な活動を促進してまいります。
行政と町民の皆様の間には、情報の共有化が不可欠なことから、広報広聴活動の充実に努めてまいります。
また、審議会や各種委員会の意見を聴取することと併せ、積極的な女性の参画を進めてまいります。
合宿の誘致につきましては、本町を全国的に知っていただける手段として有効であり、地域経済に対する好影響と児童生徒の技術向上につながっていることから、誘致活動を推進するため合宿誘致推進員や関係団体と連携してまいります。
平成29年度から事業展開しています地域間交流事業「馬と共に暮らせる町・・・標茶」につきましては、町内の馬事業者と連携し引退した乗用馬の引き受けと施設整備への支援を進め、地域おこし協力隊とともに馬を核とした「関係人口」の創出につながる取り組みを継続してまいります。
移住の促進につきましては、塘路地区を先行に分譲地等の販売や移住者への経済的支援、移住に伴う居住環境の提供として「移住促進住宅」を活用するなど取り組みを進めてまいります。また、本町の存在を広く知っていただくため、タウンプロモーションとして町の魅力や情報を町の内外に幅広く発信し、首都圏で開催される相談会に参加しながら、地域環境などへの問い合わせに対するきめ細かな対応に努めるとともに、塘路・上茶安別地区の「お試し暮らし住宅」3棟を積極的に活用し、自然環境豊かな本町の魅力を知ってもらえるよう取り組んでまいります。
地域課題の解決を行うとともに、地域コミュニティの活性化が図られるよう、旧阿歴内小中学校の利活用について検討を進めてまいります。
行政の自主性を発揮するためには、財政の健全化と自主財源の確保は最優先の課題であることから、口座振替やコンビニ収納のほか昨年4月からは、地方税統一QRコードを活用した地方税の納付のほか、本町独自の取組みとして税および税外のスマホ決済が利用できようになり町民の皆様が納付しやすい環境を整えるなど、収納対策の強化を継続してまいります。
平成30年度から始めたガバメント・クラウドファンディングによる寄付、令和元年度から始めた特産品を返礼品とする「ふるさと納税」も新たな特産品開発や、標茶を全国に発信する有効な手段の一つとなっており、とくに昨年は標茶高校の生徒からの提案で、廃棄ロス問題の解決手法として高校で栽培した野菜をふるさと納税の返礼品として登録し、標茶高校の取り組みを全国へ発信する機会となりました。
地方創生の支援策として創設された企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)も含めて地域課題解決のための取り組みとして、引き続き取り組んでまいります。
令和6年度におきましても、行政改革実施計画と総合計画を基本に、行財政の持続可能性を追求しつつ、着実な事業実施と住民サービス提供に取り組んでまいります。
おわりに
以上、令和6年度の町政執行に臨む方針の一端を述べさせていただきました。
私は、町長に就任以来、さまざまな課題に直面しましたが、多くの町民の皆様ならびに町議会のご支援や、町内外の人的ネットワークに支えられ、ここまでやってこられたと思っています。感謝の念も新たに、さらに「もっと元気なしべちゃへ‼」の創造に全力で取り組んでまいります。
町民の皆様ならびに町議会、各団体のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、町政執行方針といたします。
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標茶町役場 企画財政課企画調整係
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