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町政執行方針

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平成29年度 町政執行方針

標茶町長 池田 裕二
(平成29年3月提出)

平成29年第1回定例議会の開催にあたり、町政執行の基本的な方針並びに施策の概要について申し述べ、議員各位を始め、町民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

はじめに

貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」は、「世界で最も裕福な8人の資産は、世界人口のうち経済的に恵まれない下から半分にあたる約36億人の資産とほぼ同じだった」との報告書を年明けに発表しました。

また、「世界がもし100人の村だったら」の最新刊では、「世界の富の49パーセントは、1人の一番の大金持ちのもとに、39パーセントは9人の大金持ちのもとに、11パーセントは40人の、わりと豊かな人のもとに、50人の貧しい人のもとにはたったの1パーセント」「1人の大金持ちの 富と99人の富が大体同じ」と記されています。

英国のオックスフォード辞書が選んだ2016年の言葉は、 「ポスト・トゥルース」であり、「脱事実(主義)」とも訳されていますが、「客観的な事実よりも感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する」ということを表し、英国のEU離脱や米大統領選を受けての決定と伝えられています。

新自由主義とグローバル化を最初に採用した両国は、英語圏の メリットを最大限に生かし、世界中の優秀な人材を大学や企業に 集め、高い経済パフォーマンスを上げ、その恩恵を受けてきました。

経済学者B・ミラノビッチは、過去20年で所得を大幅に増やしたのは、先進国の富裕層であり、次が新興国の中間層、逆に減らしたのは、先進国の中間層と下位層としています。

これらの階層は、貿易や資本移動が今ほど盛んでなかった時代には、自由貿易によって食料や衣服などを安く手に入れ、競争力の ある製品やサービスの輸出拡大から、雇用や所得が増え、移民もうまく社会に溶け込み、経済や社会に活力をもたらしてきました。

しかし、グローバル化の進展に伴う技術革新や生産性の向上が大きく影響し、2008年に始まった金融危機以来の経済停滞によって成長を前提としたシステムのほとんどが機能不全に陥りました。

また一方では、グローバル化による租税回避の機会は急増し、各国が、税率引き下げ競争を繰り広げる中、むき出しの競争原理は、富める者を更に富ませるだけで、中間層の雇用や所得は低迷し、上位1パーセントの国民しか幸せになれず、99パーセントは貧困に苦しんでいます。

さらには、流入する移民や難民に、自分たちの仕事を奪われるとの危機感が高まり、様々な場面で摩擦を起こし、多様性を認める寛容さが失われる中で格差が拡大し、国家が分裂状態となっていたことが背景にありグローバル化のもたらす利益を平等に分配する仕組みが、なかったことが大きな要因だったと指摘されています。

ある全国紙の元旦号に「試される民主主義」との記事が掲載されていました。

人間だから感情があるのが当たり前、その感情に訴えて多数派を作りだすのが言葉ならば、それに対抗するのもまた言葉でしかない。人類の歴史を眺めてみると「多数派に従うことは」決して当たり前ではなかった。民主主義発祥の地、古代ギリシャでも多数だからといって質がいいわけではないと考えられていて民主政は評判が良くなかった。では何故多数決を原則としたのか、それは「頭をたたき割る代わりに頭数を数える」、つまり不毛な争いを避ける約束として、殺し合う代わりに多数決を選んだと森東大教授は指摘されています。

歴史をさかのぼれば、民主主義は「危険思想」とされ、貴族や王侯などかつての支配者は「多数」が決定権を握ることを恐れて いたが、市民革命を経て、多数決原理は私たちの常識となったと教えていますという内容でした。

本来、選挙や投票は、最終的に、「ある判断」について皆で納得するためにあるはずであり、「皆で決めた」という感覚がなければ、人々は政治的な決定を尊重しなくなると言われています。

しかし、ソーシャルメディアやインターネット上で流されている根拠も不明な中傷情報やツィットに対し、多くの人は、真偽を判断するだけの知識・能力を持ち合わせておらず、既存の政治によっては「顧みられていない」と感じている人々の不満が、元記事を確かめることもなく、ヘッドラインだけを読み、瞬く間に拡散していったことも否めませんし、また短いフレーズを繰り返すと真実味が増したような錯覚に陥り、目の前の現実の見え方が変わってくるとの分析もあります。

米国大統領選の8日後、オバマ大統領はこう演説しています。「この地に生まれた民主主義は決して完璧ではない。だが平和的に お互いの違いを乗り越えるには、これに代わるものはない。」と。

「全ての米国民の大統領になる」と宣言をして登場しましたトランプ大統領は、様々な混乱を巻き起こしていますが、就任式の観客数を巡り、メディアへの不信感から側近が発した「オルターナティブ・ファクト」という言葉が波紋を広げています。

このことは、事実に基づかない情報発信が虚偽ではなく「もう 一つの事実」と正当化されてしまうことに不安が高まっています。元々はジョージ・オーエルのSF小説『1984』からのものですが、全体主義国家が真実を歪め、人々を監視する社会を描いたもので、SFは架空の世界ではなく、普段は見えない意識や社会の奥底にある本質を表に出すとも言われています。

一方、「このままだと地球がもたない」との危機感から、2015年9月の国連総会において、2030年末までに取り組む環境や開発問題に関する世界の行動計画が決定され、包摂性を重視し、「誰も置き去りにしない」を共通理念に「貧困・飢餓の撲滅」「良質な教育の提供」「安価なエネルギーの確保」「つくる責任、つかう責任」「気候変動対策」など17分野の持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。

前身の2001年に策定されましたミレニアム開発目標は、「乳幼児の死亡率削減」など、発展途上国が抱える問題の解決策でしたが、今回はグローバル化した世界において、途上国への開発支援だけでは、問題は解決しないとの認識のもと、「人や国の不平等を減らすこと」「安全で働きがいのある仕事の提供」などを先進国が、国内で取り組む課題も新たに盛り込まれました。

重要なのは、個人の行動であり、買い物の仕方を考え、働きがいを追求することなどが、目標の達成につながっており、我が国におきましても、具体的な行動が求められています。

国の新年度予算は、過去最大の97.4兆円、政府は「1億総活躍社会」の実現に向け、経済再生と財政健全化の両立を象徴する予算と命名し、税収を前年当初より1,080億円増の57.7兆円と見込み、不足分は特別会計からの繰入により新規国債発行を34.4兆円、0.2パーセント減と4年連続で減らしていますが、当初予算に占める借金の割合は、35.5パーセント、先進国の中では、最悪の水準であり、我が国の借金は、2016年末で1,066兆円、うち国債は、929兆円と過去最大となり、日本銀行の国債保有も410兆円を超えています。

本来、使い道を特定しない赤字国債の発行は、財政法で禁じられており、「1975年オイルショック」後の歳入不足への緊急措置として認められたのが最初であり、法案の成立を難しい仕組みにすることで歯止めになるように一年限りの特例法とされました。

当時の三木内閣の蔵相大平元総理は、著書の中で「自分の金は大事にするが、公の金は案外粗末にする。財政の哲理は、税金を少なくすることと公金を大切に使うことに尽きる」と残されています。

民主主義には弱点があり、選挙での票獲得のために受けの良い施策を優先し、負担を先送りにしがちになり、これを回避するため、あらかじめ自らを「律しておこう」というのが法の趣旨ですが、子や孫たちに、「受益以上の負担を押し付けてはならない」との先人の深慮が軽んじられ、2012年民主党政権は、自公と2015年度まで4年間の自動延長を合意し、2016年には、2020年度まで、更に5年間延長されました。

「アベノミクスは、必ずうまくいく。何故ならアベノミクスは雨乞いだから、雨が降るまで祈り続けるから」と言われています。  政権の安定は、本来歓迎すべきことですが、すでに4年を過ぎ、いつまで「新しい判断」を繰り返し、どこまで「道半ば」が続くのか、全く見えてこない現実があります。

我が国には、「頑張っている人をおとしめてはならない」という文化はありますが、もう決意を語るのではなく、結果を出すべき時期にきているのではないかとの声も聞こえてきます。

1月に開催された世界経済フォーラム「ダボス会議」の主要テーマは、人工知能(AI)を核とする第4次産業革命であり、今後最も深刻な問題になるのは、デジタル難民だと報じられていました。

国内外の社会経済状況は、急激な変化を予感させ、このような時代であればこそ、足元をしっかりと確かめ、頭を上げ、前を見据えて、一歩を踏み出すことが問われていると思います。

現実を直視すれば、本町の取り得る施策は、限定的にならざるを得ないかもしれませんが、これまで本町が育んできた「共に知恵を出し合い、共に汗を流し、共に支えあう」という協働のまちづくりの理念を基本に、「より安全な、より便利な、より快適な暮らし」の実現を目指して、全力で取り組んでまいります。

町政の特徴について

本町の平成27年度ベースの財政状況につきましては、実質公債費比率は10.3パーセント全道降順で64位、将来負担比率は27.9パーセント全道降順87位であり、経常収支比率は81.7パーセントと、依然厳しい財政状況にあります。

政府が閣議決定しました平成29年度予算案においても、国債に頼る状況は変わらず、国における財政健全化の道のりが依然厳しい状況にある中では、財源を国へ依存する本町としましても、今後も厳しい財政運営が予想されます。

安倍首相の施政方針演説の中で、「史上初めて、47全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えました。全国津々浦々で、確実に「経済の好循環」が生まれています。」と述べています。

しかし、人口減少が続き、過疎化に歯止めがかからない本町のような地域におきましては、その「経済の好循環」は未だ実感できないのが現状でありますが、平成29年度当初予算における町税につきましては、平成28年度と比べ8.75パーセントの増加を見込むものであり、このような状況下にもかかわらず増加を見込めますことは、納税者皆様のご理解の賜物と感謝をする次第であります。

今後におきましても、自主財源の主軸である町税の安定的な税収の確保に努めてまいります。

また、税外諸収入金につきましても、負担の公平性を保つべく滞納整理に努め、その収納対策に力を注いでまいります。

今後も本町の礎を築く一助となるよう様々な行政課題にきめ細やかに取り組むとともに、持続可能な町政を目指してまいります。

平成29年度において取り組む主要な施策としまして、

一点目は、農業振興対策として、新規就農者対策に取り組みます。

二点目は、子育て支援として、高校生までの医療費無料化と合わせ、子育て応援給付金を継続して支給します。

三点目は、生活環境対策として、ゴミ焼却施設及び最終処分場の完成を目指します。

四点目は、教育対策として、標茶中学校校舎及び講堂の防音事業に係る実施設計を進めます。

五点目は、地域交通対策として、標茶市街地における循環バスの試験運行を検討します。

以下、施策の概要について申し述べたいと存じます。

1 みどり豊かなまちづくり

本町は、自然と折り合いをつけながら暮らしを刻み続けてきましたが、更に環境と調和したまちづくりに取り組んでまいります。

水資源として貴重な財産である「釧路川」「別寒辺牛・ホマカイ川」「西別川」の上中流域に位置する本町の任務を踏まえ、下流域に不都合な影響を及ぼすことの無いよう流域の各自治体、団体及び住民との連携を強めてまいります。

生活と生産から排出される廃棄物につきましては、ゼロ・エミッション思想を基に、地域のご理解とご協力をいただきながら、再資源化、減量化の取組を進める一方、ゴミ焼却施設及び最終処分場の完成を目指してまいります。

不法投棄対策につきましては、地域団体や企業とともに「自然の番人宣言」の思想の普及と啓発を図り、セカンドステージとして、取組の輪を広げ、違法行為に対しましては、厳しい姿勢で対処してまいります。

地球温暖化防止に対する取組につきましては、太陽光エネルギーを利用する住宅用発電システムを設置された町民への報償制度により、地球温暖化防止に対する関心を高めるとともに、二酸化炭素の排出削減に努めてまいります。

また、再生可能エネルギー買取量の増加に伴い、電気料金へ上乗せされる賦課金が年々上昇し、電気料金上昇の一因とされていますが、引き続き「ほっとらいふ制度」により、賦課金相当の助成を行ってまいります。

2 健やかに暮らせるまちづくり

高齢化が急速に進行する中、「一人の不幸も見逃さない」との基本理念を踏まえた各種の福祉施策を展開するとともに、高齢に なっても住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らしていける よう、町内会・地域会、民生児童委員協議会や社会福祉協議会を始めとする関係団体と連携し、地域力の向上に努めてまいります。

保険医療につきましては、国民健康保険事業の適切な運営を図るとともに、各種医療給付事業の適切な運営に努めてまいります。

健康づくり思想を普及・啓発するため、関係機関や関係団体と 連携して、健康まつりなどの事業展開を図るとともに、受診者の利便性を考慮した特定健診や各種がん検診を同時に受診できる総合住民健診を引き続き実施し、また健康増進事業として、歯周病検診を開始してまいります。

保育所及び幼稚園における幼児のフッ化物洗口を継続実施するとともに、脳ドック検診の一部助成や高額な治療費負担となる特定不妊治療に対する経済的支援を実施し、併せて平成28年11月から始めました妊婦健診等に係る交通費の一部助成につきましても引き続き実施してまいります。

町立病院の運営につきましては、新改革プランを基に現状の医療体制を維持し、町民の命と健康を守り、安心して生活できるよう 努めてまいります。

介護保険事業につきましては、新しい総合事業による介護予防を推進し、地域全体で包括的に支え合う仕組みや体制づくりを進めるとともに、「第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」を策定してまいります。

障がい者福祉の充実につきましては、「第3期障がい者計画・第5期障がい福祉計画」の策定に取り組むとともに、障がいのあるすべての方が、基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、相談支援体制の充実や、住み慣れた地域で安心して暮らせる生活環境づくりに取り組んでまいります。

3 安心して暮らせるまちづくり

道路は、あらゆる分野を支える社会資本の基盤として、安心して暮らせるまちづくりに重要な役割を果たしております。

国道において、平成25年度から架替工事を施工しております391号線「五十石橋」につきましては、今年度中に新橋の開通を予定しております。

今後も重要幹線である国道・道道の整備につきましては、継続して地域要望を中心に関係機関へ要請してまいります。

町道につきましては、継続中の改良舗装の早期完成を目指し、事業の推進を図ってまいります。

橋梁などの道路施設につきましても、定期的な点検と長寿命化計画に基づく計画的な補修により安全性の確保に努めてまいります。

河川管理につきましては、災害に備えて効果的な改修や障害物の除去などに努めてまいります。

交通安全施設の整備や災害時の対応と除雪体制につきましては、パトロールによる情報収集を基本にしながら、民間事業者との任務分担を図り、町民の皆様の協力のもと、より安全安心な道路環境を確保できるよう努めてまいります。

公共交通機関としての町有バスにつきましては、沿線の地域会と連携を図りながら、地域住民の足として適切に運行してまいります。

また、本町も高齢者等の交通弱者が増加しており、町立病院への通院や買い物といった日常生活の利便性を向上させるうえでは、交通弱者の足を支える公共交通の確保が必要となっております。

昨年実施したアンケートや聞き取り調査におきましても、標茶市街地の循環バス運行に関する要望が数多く寄せられており、地域住民の声を聞きながら市街地循環バスの試験運行の検討をして まいります。

釧網本線につきましては、北海道旅客鉄道株式会社が今般、単独では維持することが困難な線区として位置付けをし、今後、沿線自治体と協議に入りたいとの意向を示されております。

本町としましては、「湿原ノロッコ号」や「SL冬の湿原号」などは観光資源として、また通勤、通学生の足として必要不可欠な線区であるとの考えから、協議の呼び掛けに対応してまいりたいと考えております。

都市計画につきましては、都市計画審議会において議論をいただきながら、「都市計画マスタープラン」を基本に、町民が快適で安全に生活を送ることができる都市づくりに努めてまいります。

都市公園につきましては、長寿命化計画に沿って、交付金事業による遊具などの更新を図り、また町内会等の意見を参考に、安全安心な施設整備を推進してまいります。

上水道事業につきましては、道路改良工事と合わせた配水管の新設及び更新等の管網整備を行ってまいります。

簡易水道事業につきましては、配水管の移設及び計装機器の更新を行うとともに、虹別地区における水量・水質の安定に向けた基本調査設計業務を行ってまいります。

下水道事業につきましては、磯分内処理場の能力検証及び標茶処理場の長寿命化実施設計を行うとともに、下水道施設のストックマネジメント計画を策定し、さらには、道路改良工事と合わせた雨水管整備を行ってまいります。

また、整備区域の水洗化の促進と併せ、集合処理区域外における合併処理浄化槽の整備につきましては、平成26年度からの事業を継続し生活環境の保全並びに公衆衛生の向上を図ってまいります。

町営住宅の整備につきましては、継続中の桜南団地の建替事業と併せ、川上団地の住戸改善事業に着手し、より良好な住宅環境の整備を進めてまいります。

その他の町営住宅整備につきましても、需要動向に即した適正な住宅供給を図ってまいります。

建築行政につきましては、住宅に関する情報提供に努めるとともに、耐震化を始めとする、住宅や建築に関する相談への的確な対応に努めてまいります。

移住の促進につきましては、今までの取組を通じ完全移住される方が現れてきており、更に本町の存在を広く知っていただくため、首都圏における相談会での情報発信と、地域環境などへの問い合わせに対するきめ細かな対応に努めるとともに、「お試し暮し住宅」が積極的に活用される環境を整えてまいります。

昨年は、台風に伴う大雨の影響で釧路川が増水し、本町市街地の一部に、初めて避難勧告を発令する事態に見舞われました。

安全で安心なまちづくりには、防災・消防機能の整備とともに、地域住民自ら防災意識を高めることが重要であるとの考えから、本年6月に本町で開催される「釧路川総合水防演習・広域連携防災訓練」を、防災意識の向上に資するよう活用を図ってまいります。

災害時における防災や減災につきましては、初期対応を担う地域会・町内会活動が極めて重要であり、新たに防災ハンドブックを作成し、配布するほか、自主防災組織の設立に向けた支援と防災訓練を継続してまいります。
また、消防機能の強化につきましては、消防団員の活動を支援するため、引き続き装備品の充実を図り、団員の安全確保と意識向上を目指してまいります。
交通事故の無い安全なまちづくりのために関係機関、学校及び保育所等との連携を図り、交通安全の思想普及と啓発活動を推進するとともに、交通安全設備等の整備に努めてまいります。

野生大麻の撲滅に向けましては、引き続き地域会や関係団体と連携し取り組んでまいります。

しべちゃ斎場につきましては、引き続き指定管理者による管理運営を行ってまいります。

標茶霊園につきましては、計画的な園路の補修に努めてまいります。

ドクターヘリの運行につきましては、道東地域全体の広域救急医療体制が確立され、大きな成果を挙げています。今後とも運行調整委員会の一員として事業の円滑な推進に努め、町民の皆様の安心感の確保を図ってまいります。

消費者対策につきましては、消費者への勧誘の手口が巧妙化し、個人では対応しきれない状況が増大しています。

本町としましては、消費者被害を未然に防止するため、標茶消費者協会と連携した啓発活動と、広報紙によるリスク回避のための情報提供に努めるとともに、「消費者被害防止等生活安全ネット ワーク」を活用したきめ細やかな情報提供に努めてまいります。

4 活気あふれるまちづくり

基幹産業の酪農につきましては、平成28年の生乳生産量は、15万6,306トン、対前年比103.6パーセントと2年連続で前年を上回りました。

これは、奨励金導入による生乳増産対策、及び草地更新の推進に向けた取り組みや、TACSしべちゃの生産が順調に推移しているほか、個々の経営の努力によるものと推察するところですが、搾乳戸数の減少には、依然として歯止めがかからず、一戸当り管理農地面積の増加にもつながり、このままでは、湿地改良地、面積狭小地及び傾斜地などの条件不利地が、耕作放棄されることによる荒廃農地化の懸念がされております。

しかし、乳価は、若干上向いており、個体販売価格も高値で推移し、生産者個々の経営も総じて改善若しくは向上していると伺って おり、今後も安定的な生乳生産を維持できるよう効果的な投資を、計画的に行うべきと考えるところであります。

このような中、平成29年度におきましては、標茶酪農再興事業を継続実施し、草地更新の促進、バイオガスプラント及び畜舎環境整備の負担軽減を図るとともに、しべちゃ農楽校の施設機能を充実し、多様化する研修生のニーズに対応しながら、担い手育成協議会を軸に、指導農業士や農業士の指導、助言をいただき新規就農対策を推進してまいります。

また、バイオマス産業都市の認定を受けたことにより、適正な 家畜排せつ物処理と臭気の軽減対策等に対する具体的な事業の構築に向け、関係機関、団体などと連携を図るとともに、農業者への理解と住民周知に努めてまいります。

最重要の懸案である食肉加工センターの設置につきましては、 依然として残る多くの課題の解決を進め、関係機関、団体などと 緊密な連携のもと、早期着工、早期開設に向け、引き続き最大限の努力を重ねてまいります。

標茶町育成牧場は、本町が目指す「草地型酪農」に順応できる後継牛を育成するため、哺育事業と放牧環境の改善を進めます。

また、牧場利用者が、健康な家畜の持続的生産による経済効果を実感できるよう、各種伝染病の予防に取り組んでまいります。

なお、自給飼料の生産につきましては、利用状況の大幅な変動や異常気象にも対応し得る体制を構築してまいります。

TPP交渉につきましては、米国がTPPから離脱したことにより、一部の国では、米国抜きの合意を模索する動きがあることと合わせ、米国との「2国間貿易交渉になるのでは」との憶測もあり、今後の情勢は不透明と言わざるを得ませんが、仮に2国間での貿易交渉となると厳しい要求も推測され、酪農畜産を基幹産業とする本町にとっては、重大な影響が懸念されておりますので、関係機関と連携しながら対応してまいります。

林業につきましては、国において第5次地域森林計画を策定し、根釧地域の適切な森林整備と保全等の実施により、持続的な森林の管理、経営の確立及び地域ニーズに応じた木材の安定供給体制の構築による地域産業の振興と生活環境の保全や水源の涵養等、森林の多面的機能の発揮や山村地域の活性化を図り、低炭素社会構築へ寄与しようとしております。

また、民有林整備を引き続き支援するほか、町有林におきましても、林業専用道による路網整備の継続と既設林道等の維持補修を行い、森林の計画的な管理を図ってまいります。

農林業に甚大な食害をもたらしているエゾシカ対策につきましては、引き続き猟友会のご協力をいただきながら、鳥獣被害対策実施隊による有害駆除の実施と農林業者の自衛策として、わなの活用を積極的に推進するとともに、資源としての有効活用に向けた取組を進めてまいります。

漁業の振興につきましては、漁獲の主力でありますワカサギのふ化放流による個体確保に向けた増殖事業への支援を引き続き進めるとともに、漁場となる湖沼の環境保全に向けた取組を地域の皆様とともに推進してまいります。

商工業の振興につきましては、商店街の活性化を図るため商工会と連携し、交流人口の拡大を目指すとともに、買物弱者支援としての側面を持つ出前商店街の取組を推進するほか、起業される方に 対しましては、GoGoチャレンジショップ事業により引き続き支援をしてまいります。

経営資金の需要に対しましては、金融会議などの議論を踏まえ、必要とされる支援の効果的な運用を図ってまいります。

さらには、町広報紙への低廉な有料広告掲載等により、事業活動の支援を引き続き行ってまいります。

観光の推進につきましては、「観光振興計画」に沿って、観光協会を始めとする関係団体や圏域関係機関と連携を更に強化し、 本町の持つ自然環境や産業遺産、観光施設などを生かした事業を展開するとともに、昨年度に引き続き誘客活動を推進するため、近隣町村との連携事業のほか、北海道くしろ地域・東京特別区交流推進事業につきましても、管内市町村連携事業として、継続的に 取り組んでまいります。

雇用環境につきましては、単独公共事業の早期発注や冬期雇用対策事業の展開により、労働者の経済的安定化を図るとともに、企業誘致の推進及び起業や事業拡大に対する支援を通じ、地元で働きたいと思う方の雇用の場の確保と、情報の提供を商工会等と連携し推進してまいります。

5 笑顔あふれるまちづくり

子育て支援につきましては、「標茶町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、地域社会全体として、家庭、学校、保育所及び関係団体と密に連携を図り取組を進めてまいります。

また、子育て応援給付金の支給や子育て応援チケット「みるくっく券」の贈呈、おむつ等の無料回収や高校生までの医療費無料化などにより、子育て世代の経済的負担の軽減を図ってまいります。

児童福祉の中核であります保育所につきましては、引き続き、適正かつ効率的な運営と地域との交流連携を図りながら、地域における多様な子育て支援の環境づくりを推進するとともに、さくら保育園と幼稚園につきましては、合築によるメリットを生かした保育を進めてまいります。

また、乳幼児を持つ保護者同士の交流の場でもある子育てサロンや、発達に課題を持つ児童の療育や身近な子育て相談などにつき ましては、子育て支援センターや子ども発達支援センターを中心に安心感が持てる育児支援を展開するとともに、標茶児童館とも連携し、子育て支援事業の充実を図ってまいります。

学校の防音対策につきましては、標茶中学校校舎・講堂防音事業の実施設計を進めてまいります。

郷土館機能の移転につきましては、隣接する「ピルカ・トウロ」を展示施設として改修し、展示機能の充実に努めるとともに、町指定文化財であります「旧北海道集治監釧路分監本館」の耐震化につきまして、耐震改修事業に向けた実施設計を進めてまいります。

標茶高等学校におきましては、地域活動への参加を通じ、多岐に渡って本町の活性化に寄与しており、また様々な活動が各方面から高い評価を得ていることなどから、本町にとってなくてはならない貴重な財産であるため、引き続き教育振興会を通じて支援を行うとともに、間口維持に向けた取り組みにつきましても、教育振興会と連携を図ってまいります。

合宿の誘致につきましては、本町を全国に知っていただける手段として有効であり、また地域経済に対する好影響と児童生徒の技術向上につながっていることから、全国規模の大会における誘致活動を推進するため誘致委員や関係団体と連携してまいります。

6 ともに進めるまちづくり

「まちづくり」の主人公は、町民の皆様です。

それは、行政主導ではなく主権者たる町民と町民から選ばれた議会がそれぞれの役割を持ち、その役割の中で互いに支え合い、行動していくことが大事であると考えております。

本町に、脈々と受け継がれてきた「協働のまちづくり」の理念は、我が町の誇りでもあり、その礎となります町内会・地域会の活動は、本町の「まちづくり」の根幹でもあります。この理念が、世代を超えて受け継がれ、「まちづくり」に寄与されるよう、活動の主体性を尊重し、必要とされる協力と支援を行ってまいります。

また、様々な目線を通して行政運営ができるように、各種団体の主体的な活動を促進してまいります。

行政と町民の皆様の間には、情報の共有化が不可欠なことから、広報広聴活動の充実に努めるとともに、審議会や各種委員会の意見を聴取することと併せ、積極的な女性の参画を進めてまいります。

行政の自主性を発揮するためには、財政の健全化と自主財源の確保は最優先の課題であります。そのためには、納税者である町民の皆様の納付しやすい環境を目指し、口座振替やコンビニ収納の利用を推進するとともに、収納対策の強化を図ってまいります。

平成29年度におきましても、限られた財源の中で、多様な住民ニーズに応える行政サービスを展開していくために、「第4期行政改革実施計画」に基づく取組を核とし、行政の効率化と課題推進を図るための組織体制を構築するとともに、健全な財政運営を図りながら、基本理念である「自律と協働のまちづくり」を目指し、町民の皆様と共に考え行動する「まちづくり」に取り組んでまいります。

おわりに

以上、平成29年度の町政執行に臨む方針の一端を述べさせていただきました。

温暖化の影響と思われる異常気象により、相次ぎ自然災害が頻発しています。

昨年は、低温、長雨、3度の台風の来襲、日照不足等々で農作物の作況は芳しくなく、酪農家の皆様には、越冬飼料の確保に苦慮 され、生乳生産への影響が懸念されていましたが、個体販売価格は依然として高値で推移しており、乳価アップやTPP関連対策の大型予算等も措置され、経営は好況と伝えられています。

また、平成28年8月21日には、台風の接近により、釧路川の水位が上昇し、市街地堤防沿いの住民に対して初めて避難勧告を発令しました。幸いなことに、住民や町内会の皆さまの冷静・迅速な対応により、大事には至りませんでしたが、訓練では見えて来ない多くの課題も浮き彫りになり、貴重な教訓となりました。

自然に対し「何故」という質問は、意味がないと言われています。

自然はコントロールできませんし、想定した条件の下でしか安全は確保されませんが、先人に習い、隣・近所・地域の助け合う心を大事に、声かけや見回り、訓練を繰り返しながら、日頃から備えることが重要と肝に銘じ、これからも住民の安全を第一に判断してまいります。

誰もが健康で安心して暮らすことのできる「住んでよかった、これからも住み続けたい」と思える元気な声と笑顔あふれる町を目指し、町民が主役、主体のまちづくりに全力で取り組んでまいります。

町民の皆様並びに町議会、各団体のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、町政執行方針といたします。

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お問い合わせ先

標茶町役場 企画財政課企画調整係
〒088-2312 北海道川上郡標茶町川上4丁目2番地
TEL 015-485-2111 FAX 015-485-4111

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